Our Topics経営陣や決裁権者へのリーチに最適な東海道・山陽新幹線の広告媒体

翌年まで予約でいっぱい!?
人気の新幹線車内・駅広告

2020年の年初に申し込みを受け付けた東海道・山陽新幹線の広告媒体の次年度の決定状況が発表された。そこで驚いたのが、車両内・駅構内の広告媒体が翌年3月までほぼ完売となっていたことだ。そのため、広告枠を確保できなかった広告主企業も複数社いたようだ。OOHメディアの中でも、これほどの人気を誇る広告媒体は他にないのではないだろうか。
東海道・山陽新幹線は、輸送人員が1日平均約67万人と都心の主要路線に比べて決して多いわけではないが、広告主にとっては人気媒体となっている。その理由に、利用者の”特徴的な”プロフィールが挙げられる。
媒体社の調査によると、東海道新幹線の利用目的は観光旅行の12.2%に対して、出張・ビジネスが68.3%と圧倒的だ。また、乗客全体に占めるビジネスマンの割合も88.8%と高い。そのうち、主任・係長以上の役職者が72.6%と、3人に1人が世帯年収1000万円以上だという。
調査はさらに、「東海道・山陽新幹線の乗客の多くが色やデザイン、流行に敏感で購買意欲が高く、情報収集にも積極的な上、発信力もある」と分析。日本経済新聞の読者層と似ているが、特に役職者の構成比はそれよりも高い。要するに、高い経済力や感度の高い人物へのリーチを狙う、東海道・山陽新幹線は最適な広告媒体であり、それこそが人気の理由なのだ。

掲出箇所の少なさゆえに
限定的な販売オプション

一方、広告枠の少なさが加熱する人気の一因にもなっている。新幹線車内で掲出可能な場所といえば、客室内の通路のドア付近3カ所のポスター額面と電光文字だけが表示されるサイネージ、デッキ付近、喫煙ルームなどに限られてくる。そこには、中づり・まど上広告も、映像が流れるサイネージもない。
それを「年間・1カ月・半月」「偶数・
奇数号車」「グリーン車」「喫煙ルーム」など、分割・組み合わせた枠でしか購入できない。駅構内も、常時掲出されている看板以外では、半月間のB0ポスターのセット販売や、7日間の臨時集中貼り、1カ月間の大型セットパネル、1カ月間のグリーン車停車付近のホームドアシートなど、こちらも限定的だ。

決裁権者の多い新幹線
BtoB商品訴求にも効果的か

新幹線利用者には企業の役職者が多い、というのは先程述べた通りだ。それは換言すると、ITシステムなどの導入を検討・提案する立場、もしくはその決裁権者の割合が高いということだ。そのためか、新幹線内に掲出されている広告もBtoB向けの商品を訴求しているものが多く、沿線の駅周辺に本社や支社、工場などのある広告主の広告の多さは特に目立った。
そして、広告主からも「経営者層を中心にサービスの決定権者に対して認知度を高めるため活用した」「お客さまからもポジティブな反響を多くいただいた」「社員が出張などで利用した際に、目にしたと話題になるなど、インナーモチベーションアップにもつながった」「新幹線メディアの持つプレミア感が、実施するコミュニケーションの信頼感を高めるという効果も期待する」などの声が上がっているという。
このように、BtoBでは強い決裁権を持ち、BtoCでも消費を牽引するほどの高い経済力を持ったマーケティングターゲットを持つ新幹線媒体。来年度に向け、検討してみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2020年5月号からの転載です。