Our Topics第11回東京屋外広告コンクール受賞作品が発表に

東京に相応しい最先端の技術とデザインのOOH作品が選ばれる

2019年3月19日、第11回東京屋外広告コンクール受賞作品の発表と表彰式が行われた。このコンクールは、東京の美しい景観を創出するという使命のもと、景観形成に重要な役割を担う事業として隔年で実施しているものだ。この中から受賞作品をいくつかを紹介する。

銀座や渋谷の街をブランドカラーで染める

東京商工会議所会頭賞の第3部門を受賞したのは、シャネル。
2018年11月に限定発売した香水「赤のボトルのナンバー5」の登場を記念し、東京銀座と渋谷で大規模なOOH展開をした。特に銀座や渋谷の百貨店等のビルの壁面(大型ビジョン含む)を使った展開は画期的で、街並みの景観と調和した洗練されたシンプルなデザインだが、ブランドカラーの赤はかなり印象的で記憶に残るものだった。

リアルに訴求することで強いメッセージを伝える

東京都知事賞第2部門には、NTTドコモの「世界一分厚い雑誌」が選ばれた。新宿タカシマヤのイベント広場で、「dマガジン」に収録されている雑誌をリアルに束ねて「世界一分厚い雑誌」として見せたものだ。審査員からは「ネットであると大容量データをさりげなく扱えるということを、リアルに表現する迫力に、心惹きつけられた」「仮想と現実の差を視覚化する技が面白かった」と絶賛された。
東京商工会議所会頭賞第2部門を受賞したセガ・インタラクティブの「1/1プラモデルプロジェクト」では、ゲームソフトの実物大プラモデルを展示した。この造形物はプラモデルを製造するメーカーが監修を行ない、ランナー(枠)までリアルにつくられ注目を集めた。
東京屋外広告協会会長賞第2部門を受賞したパナソニックの「洗濯機『泡洗浄』実証広告」では、実際に洗濯してきれいになった実物の衣類を、洗う前と比較展示し、機能的価値である泡洗浄の洗浄力の高さを訴求したものだ。
これら3社に共通するのは、リアルに訴求することのメッセージの強さと言えるだろう。

際立つウイット性に富んだ作品が受賞

東京商工会議所会頭賞第1部門を受賞した文化放送の「2018ラジオCMコンテスト募集告知」は、道路脇というOOHのロケーションに合致した表現だ。
審査員の中からは「道路標識と混同するのでは?」という意見もあったようだが「ウィットに満ちた内容がそれを凌駕した」として受賞した。

以上、受賞作品の一部を紹介した。他の受賞作品など詳しくは(公社)東京屋外広告協会のホームページにある。是非アクセスしてOOHメディア活用の参考にして欲しい。
http://www.toaa.or.jp/okukou/

※このコラムは「宣伝会議」2019年6月号からの転載です。