Our Topicsリアルな生活者のインサイトがわかるOOHメディア展開

CMの場面で使われた駅で訴求 展開だけでなくイベントも

花王は入浴剤の新製品「バブ メディキュア」のプロモーションで、全国5都市のOOHメディアを活用した。東京では2018年10月15日から一週間、新宿・渋谷・池袋駅などの媒体で実施。特に東京メトロ新宿駅では、B0サイズ20枚分のスペースを4面使う大規模な展開だった。「いい週末は 金曜のオフロから」「現代人は休み方も大事。」「一週間がんばっている新宿の皆さん!」「せっかくの休日の前にヘトヘトになってない?」というテレビCMと同様のメッセージで訴求していた。そもそもCMで使われた場面が駅構内であるので、イメージぴったり展開だった。
週末前の10月18日(木)と19日(金)には、同じく東京メトロ新宿駅で「バブ メディキュア いい週末サーバーイベント」を実施した。いい週末は「バブを入れた金曜日のオフロから」と休日前に疲れた現代人に対して、いい週末を過ごせるようサポートする企画だ。巨大なサーバーのレバーをガチャッと回すと、カプセルに入った商品が1錠出てきて、もうらうことができた。時々金色のカプセルが出たが、その時はイメージキャラクターの阿部サダヲさんのミニフィギュア「金のバブサダヲ」がもらえる。同時にそのフィギュアを展示したフォトスポットも用意されていた。
通りを歩く人々が次々に参加して、夕方には会社帰り、買い物帰りの人たちで順番待ちになるほどだった。関係者によると一日2000人を想定していたそうだが、それを上回りそうなペースで進行していた。この展開は、週替わりで他の都市の中心駅でも実施された。

メッセージに合わせ「週末にしたいこと」を記入してもらう

注目したのは、レバーを回す前に「週末にしたいこと」をバスタブ型の専用付箋に書き「みんなの週末願いボード」に貼るのを条件としたことだ。ボード見ると「おいしいものいっぱい食べる」「ロングドライブに行きたい!」「映画を観よう」などアクティブな人がいる一方、「のんびり過ごします」「たくさん寝たい」「何もせずソファでゴロゴロしたい」など、週末は体を休めてゆっくりしたいと思う人も多く見られ、忙しく働く現代人のインサイト(週末マインド)がわかるイベントとなっていた。中には、「忙しいけど、バブでゆっくり疲れをとります」「ゆっくりおふろにつかりいっぱい寝たい」と商品の機能的価値に合致したコメントもあった。
金曜日というと従来「一週間頑張った自分へのご褒美」といったプレミアム消費の面での成功事例もあったが、金曜日にバブで疲れを取るという訴求は、別な面での生活者のインサイトに応えるもので、的を射た展開だったと言えるだろう。参考にしてみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2019年1月号からの転載です。