Our Topicsテレビ、デジタルに次ぐ3番目のメディア、OOH媒体の多面的な使い方

撮りたくなる、参加したくなる、共有したくなるOOH展開

2019年4月8日から1週間、花王は東京メトロ新宿駅で洗剤の新商品「アタックZERO」の大規模なプロモーションを行った。B0ポスター20枚分のスペース4カ所、柱巻き広告、さらにバナー広告も掲出。イメージキャラクターの若手俳優5人と商品のビジュアルがずらりと並び、通りを歩く人々へのアテンション効果は抜群だった。縦長の柱巻き広告は、彼ら(人物)だけでなく、縦長のボトルを訴求するのにも最適だったと言えるだろう。
広告主によると、アタックZEROは、洗濯に深い関心を持たないミレニアル層がコアターゲットで、この層との距離を縮めるため旬で認知度の高い5人を採用。キャラクターが被らず、それぞれの世界観を持った彼らの高い演技力で、商品の特長をストーリーの中で嫌味なく伝えることを狙ったそうだ。今までにない革新的な新商品で他の洗剤とは違う凄さを出したいため、これまでの洗剤のCMの延長線上には見えないようにコミュニケーションも考えたのこと。メディアも洗剤の広告で通常使うテレビとデジタルに加え、OOHも活用。認知度を上げることと「話題感」の醸成も狙えるエリアやタッチポイントを選定したのが今回のプロモーションだ。
一緒に写真を撮ることを想定したコーナーに、CM動画を全篇放映したコーナー、さらにそのCMに使われた実物衣装を展示するコーナーも設けるなど、人気キャラクターを使った場合の反応を想定した口コミ拡散、話題化を狙った展開も行われていた。また、商品のサンプルをポスターに貼り付けて持って行ってもらう「ピールオフ広告」も実施。1時間ほどで無くなる光景も目にした。

リアル体験コーナー設置、その場の使用感が購買意欲・反響に

今回驚いたのは、本物の洗濯機が展示され、そこでワンハンドプッシュのアタックZEROを入れる体験ができるコーナーもあったことだ。テレビCMで既に認知している人もいる中、次から次に体験者が出て、多くの関心を呼んだ。年代も幅広く「すごい!」「買う前に試せてよかった」「プッシュしやすい」などの声も聞かれ評判も良かったという。「汚れ、ニオイ、洗剤残り」の3つのゼロを実現したことや、洗浄力がアップしたことや、ドラム式専用の商品には黒ずみを防ぐ効果があることなど細かい商品の機能的価値も説明していた。
実施後すぐ反響があり、SNS上で「#洗濯愛してる会」の投稿などが広がり、一部テレビメディアやデジタルメディアでも取り上げられたようだ。週末にはOOH広告の撮影を目的に訪れた人の投稿も目立ち、担当者は手応えを感じたようだ。

このように、テレビ、デジタルの次の3番目のメディアとして、OOHメディアはここまで多面的な使い方ができるのだ。参考にしてみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2019年7月号からの転載です。