Our Topics撮影スポットで拡散させるOOHメディア展開

フラッシュ撮影するとゴーストが見える!?

2016年10月10日から1週間、サッポロビールは「麦とホップThe HALLOWEEN -FLASHGHOST-」としたハロウィンムードのOOHメディア展開を行った。東京メトロ丸ノ内線新宿駅にある大型ボードの約半分は西洋の墓地かと思われる不気味なビジュアルで、かぼちゃのお化けちょうちんの姿もあった。「そのフラッシュ撮影が、あなたを恐怖に引きずり込む」という表示もあり多くの人たちがスマホで撮影をしていた。試しにフラッシュ撮影した写真を見ると驚くことにたくさんのゴーストたちが白く浮かび上がっていたのである。フラッシュ撮影したときしか見えない部分の仕掛けには、夜間の看板や標識などで車のライトが当たると光って見える印刷技術を発展させたものが使われたようだが、これをハロウィンの広告で使うというのは優れた着想だろう。13,000人以上の多くの人が体験したという。

「キュンスポット」と話題に人気俳優とツーショット撮影

翌週から2週間、ライオンは「hadakaraボディソープ」のプロモーションで、ディーン・フジオカさんとのツーショット撮影ができる「hadakaraツーショットフォトブース」展開を行った。大型ボードには等身大のディーンさんと手をつなげられるポーズのものやソファで肩を抱き寄せられるポーズのものがあった。大胆にも見つめ合ったり、肩に寄りかかったりするポーズを取る者も見られた。写真は「#hadakara」を付けてSNSにアップすることを促していたが、「おディーンと夢のツーショット」「写真とわかっていながらガチで照れまくる!」「そんなに人は居ないけど緊張した」などとドキドキ体験を語る者も少なくなかった。SNSでは「キュンスポット」と呼ばれていた。

撮影すると武将が飛び出す?プリントシール機でダリになれる

さらにその翌週にはサムザップが、スマホゲーム『戦国炎舞 -KIZNA-』のプロモーションで、カメラで撮影するとキャラクターの武将が飛び出して見えるトリックビジョン展開を実施していた。「写真を撮ったらハッシュタグを付けてTwitterやInstagramでシェアしよう」と促していたのはライオンと同様だ。
それ以前でも国立新美術館で9月14日から開催された「ダリ展」のプロモーションも撮影がポイントだった。ここではプリントシール機を設置し、ダリのトレード・マークの「ヒゲ」を無料でスタンプできるものだった。学生など若い方にも展示会に興味を持ってほしいと企画したようだが、ヒゲも背景も複数選べるなど本格的なもので、シールだけでなくスマホの待ち受け画像にする事も可能だった。
このように、スマートフォンで撮影してSNSにアップをする人が多くなっている中、駅の広告を撮影スポットにして話題喚起と情報拡散を狙う手法も定番化してきた。SNSだけでなくWebニュースなど他のメディアにも取り上げられている点も見逃せないだろう。商品訴求をした上での付加価値的展開だったが参考にしてみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2017年1月号からの転載です。