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2025.10.31

オリコムには、新しいものを楽しみながら生み出す力がある

オリコムは、2025年2月20日に開催された「OTC(OOH Tokyo Conference 2025 with WOO)」の開催事務局を担当。このカンファレンスはOOH(Out of Home)広告のグローバル業界団体であるWOO(World Out of Home Organization)との共催による国際カンファレンスを日本で初めて開催したものになります。当日は、世界19カ国から約500名を超える業界関係者が来場し、OOHについて活発な議論が交わされました。国際的なカンファレンスを開催するにあたっての想いや道のり、チームの様子をプロジェクトの中心メンバー3人が語ります。

山本 正博(やまもと まさひろ)

  • 所属:
    OOHメディアプロデュース局OOHメディア2部
    メディアアクティベーションディレクター
  • 社歴:
    1997年9月中途入社
    プロモーション部門、営業部門を経て、丸の内エリアのデジタルサイネージプロジェクトに携わる。その後OOH部門へ。日本のOOHの価値向上を目指し、様々な活動に携わっている。今回のカンファレンスの日本開催を実現させた中心的存在。

鈴木 康平(すずき こうへい)

  • 所属:
    クリエイティブ&コンテンツデザイン局プロモーションプランニング部
    ディレクター
  • 社歴:
    2008年4月新卒入社
    新入社員時より5年間OOH部門に所属。その後プロモーション部門に異動して現在に至る。
    OTCの運営に当り、事務局の現場の中心となり準備~運営に携わった。

塚脇 素良(つかわき そら)

  • 所属:
    OOHメディアプロデュース局OOHメディア1部
    ディレクター
  • 社歴:
    2018年6月中途入社
    最初の配属はテレビ部。その後、OOH部門とメディア領域で活動。
    OTCでは「グローバル視点で探る日本のレールメディア:交通広告媒体社が語るその魅力と未来像」セッションにてモデレーターとして登壇。


「おせっかい」文化が、それぞれの挑戦を後押しする

―はじめに、プロジェクトに参加したきっかけを教えてください。

山本

これまで世界各地で開催されるWOO主催の国際カンファレンスにオーディエンスとして参加していました。日本のOOH業界は縦割りかつ、ドメスティックな進化を遂げてきたという背景があります。「グローバルな視点を日本に持ち込み、会社の垣根を超えて業界に関わるみんなで話し合う機会をつくるのはどうか」と数年前から日本のOOH業界の関係者と話していたのですが、遂にかたちになったのが今回です。

鈴木

僕は開催日の2か月前にプロジェクトにジョインしたんですけど、正直「時間が足りなくてやばい」と思いました……(笑)。会場の手配や海外との調整、制作物の進行などタスクも盛りだくさんでしたし。やるべきことの多さとスケジュール感を考えたときに、「相当タフな道のりになるな」と感じました。

山本

プロジェクトが立ち消えずにできたのは「熱意」ですね(笑)。このカンファレンスを開催することが、業界の発展に繋がると考えていました。OOHのグローバルカンファレンスが日本で開催できるというのは貴重なチャンスでもあります。オリコムだけでなく様々なOOH業界関係者の想いもあったと思いますし、十分な時間が無いという理由で諦めるわけにはいかなかった。

鈴木

僕は制作物などの発注も担当していたのですが、制作会社さんとの調整もあるなかで「このタイミングで開催できない、はないですからね!」みたいに、事あるごとに山本さんに念押ししちゃっていました(笑)。

山本

「いつも笑顔のこうへい(鈴木さん)が、めちゃくちゃイライラしてる」って周りから言われたこともあったな(笑)。ただWOOとの共催だから、向こうの許諾を得ないと動けないことも多かったんです。タイムライン通りに進まないことも多々あったので、「そりゃあイライラするだろうな」とは思っていました。

塚脇

私がこのプロジェクトに関わりはじめたのは開催日の1か月前です。当時のOOH局長とまささん(山本さん)に呼ばれて、「当日のモデレーター(司会進行)をやってくれないか?」って言われた時は驚きました(笑)。「経験豊富な先輩方がいるなかで、どうして私なんだろう?」とも感じました。「任せてもらえて嬉しい」っていう気持ちとプレッシャーが半々で、自分に本当にできるのか不安でしたね。でも、まささん(山本さん)たちが「心配なことがあったら相談に乗るから、時間はいくらでもつくるから」と声をかけてくれて「オリコムらしいな」と思いました。

山本

自分に限らずだと思うけどな。平たく言うと、オリコムの社員は「おせっかい」。

鈴木

それ、僕も違う会社の人から言われたことがあります。普通は自分が担当している仕事以外にそこまで関与しないのに、オリコムの人は「自分に手伝えることがあったら言って」と自ら仕事を増やしていくって(笑)

塚脇

あたたかい人が多いですよね。今回に関しても、他部署の同期が「俯瞰して見てあげるよ」とか意見をくれたり、ちょっとずつ時間をつくって手伝ってくれたりしました。だからこそ、乗り越えられたんだろうな。

山本

ファミリー感というか、距離感が近いというか。皆で1つのものをつくっていこうとするのが、オリコムのカルチャーじゃないかな。

日本のOOHが変わるきっかけをみんなでつくる

―プロジェクトを進める中で印象に残ったことはありますか?

鈴木

主催イベントを担当するのが初めてだったので、結構戸惑った部分があります。例えば、一つの制作物をつくるにしても、自分が最終決定側にいるから、どこまでこだわるかは自分たち次第。僕が「これでいこう!」と思っても、山本さんは「もうちょっと練ってみよう!」と言うこともある。本当にギリギリまでいろんなことを粘っていました。

山本

開催まで時間がないのもわかっていたから、どこで収まりをつけるかは難しい判断でした。集客状況も当日までわからないし、全ての決断がコストに跳ね返ってくる。でも世に出すものだから妥協したくない。そのせめぎ合いでしたね。

塚脇

私は、当日のカンファレンスがすごくグローバルな内容だったことが印象に残っています。業務で海外事例に触れることはあったものの、それについて深く議論する機会はほぼなかったので。競合の代理店とも垣根を超えてワンチームでOOHの未来を考える機会は日本全体で見てもあまりないと思いますし、そこに自分がいるというのは嬉しかったです。

山本

数年前から日本のOOH業界の方たちと、構想は話してきました。そのときの1人から「山本さん、このカンファレンスが開催されたら絶対日本のOOH変わるよ」とも言われた。そのひと言で「もしかしたらこれが日本のOOHの転換点になるかもしれない」と信じて、やり遂げられたというのはあります。

塚脇

そういう機会をオリコムが主催できたのは、本当にすごいことだなって終わってから実感してます。業界が縦割りという話がありましたけど、横のつながりをつくることだってできる。縦と横のつながりがもっとできて、OOH業界に関わる人たちの視野が広がる機会になっていたらいいなと思います。

山本

そうだね。OOH業界自体の年齢層が上がっているから、これから永続的に盛り上げていくためには、やっぱり若い世代がグローバルな事例を見て聞いて、動かしていってほしいとも感じています。塚脇さんをアサインした背景にはそうした想いもある。何年後かはわからないけれど、「あのときが日本のOOHが変わる1つのきっかけになったよね」って思い出してくれたら嬉しいですね。

―開催前や開催日のチームメンバーの様子を教えてください。

山本

鈴木くんはやっぱり笑顔だね(笑)

鈴木

(笑)ミーティング中もピリピリしているだけだと疲れちゃうから、意識はしていたかも。時間がないなかだと、プロジェクト進行中やミーティング時にピリつくことだってあります。そんな時は、僕や山本さんが冗談をその場に放り込むこともありました。あまりウケてなかったですが(笑)。でも大変だからこそ、どうにか場をほぐしたいという気持ちはお互いにあったはずです。

山本

仕事って「1+1=2です」みたいに正論を言っているだけではうまく進まない。鈴木くんが担当してくれた部分は、まさにそうしたことが多かった。相手の要求や感情を汲み取りながら、自分たちの意見をしっかり伝えていくといった調整が各所で発生しましたが、彼がハブにも潤滑油にもなって動いてくれたのは、すごくありがたかったですね。

塚脇

こうへいさんの笑顔は癒しでした(笑)

山本

塚脇さんは、今までのプレゼンの様子とか見ても「肝が座っているなぁ」という印象があった。だからモデレーターをお願いしたんだよね。

鈴木

僕も当日見ていましたが、すごく堂々としていて立派でした。

山本

1セッションが20分しかない中で、うまく3人のスピーカーの話を引き出して、自分も話してと大変だっただろうけど、うまくまとめあげていたなと思う。

塚脇

私は、「まささん(山本さん)は本当にオリコム好きなんだな」って思いました(笑)。これだけ大きなカンファレンスを日本に持ってくる労力って、相当じゃないですか。それでも「オリコムでやろうよ!」って言えたのは、会社や仲間のことを信頼しているからだろうなって。

山本

世の中に対しても、オリコム社内に対しても、「OOHって素晴らしいものなんだ」というメッセージを伝えたかったというのもあるかな。

鈴木

山本さんは、海外とのやり取りやプログラム決めなど、やることが多かった。加えて、色んな人から色んなことを言われながら、人には言えず抱えていたものもあったはず。本当によく最後までやられていたと思います。

塚脇

改まって言うのは恥ずかしいですけど、「オリコムは人がいい」って働いていて思います。当日も、運営チームがめちゃくちゃ忙しいのに、「モデレーター頑張って!」と色んな人が声をかけてくれて。自分たちの業務を動かしつつ、周りのこともしっかり見ている。「思いやりのある人」の集まりだったから開催できたのかな、とさえ思います。

0から生み出した1を100まで広げていきたい

―プロジェクトを終えて変化したことはありますか?

山本

いいことはたくさんありました。今回のカンファレンスが、OOHが新しいメディアに生まれ変わるためのスイッチになれたかなと思います。

鈴木

うちで初開催できたというのは誇れる点です。型がないから、最初が難しい。ゆくゆく時代が変わったとしても、「初開催はオリコムだった」という歴史を残すことができました。

山本

とはいえ、まだ0→1の1をつくっただけ。これを10、100と育てたり、市場を広げたりするために、やれることはまだまだあります。イベントに携わることでOOHに対するオリコムのプレゼンスを高めることもそうだし、OOHの素晴らしさをもっと広めていきたい。

塚脇

「オリコムはOOHが強い」って昔から言われてきましたけど、今回、世界的なカンファレンスを開催したことで、より説得力をもって周りにアピールできるようになった気がします。今まで先輩たちが積み上げてきたものを引き継いで、形に残せたというか。

鈴木

僕、当日カンファレンスが終わった後に、山本さんが同業者の方から「本当によくやったね」って声をかけてもらっているのを見たんですよ。

山本

見られてた(笑)

鈴木

皆さん、この期間でこれだけの規模のイベントをやる大変さをわかっているから。「オリコムはハードなことでもやり遂げられる会社だな」と、同業者の中でのプレゼンスも上がったような気がします。

塚脇

同業者だけじゃなくって、媒体社、生活者、クライアント、プラットフォーマーと垣根を超えて1つのものをつくりあげる。「こういう広がり方があるのか」って私も教えてもらいました。

―このチームでよかったと思うこと、これからやってみたいことを教えてください。

鈴木

忙しい中でも「いいものをつくりたい!」っていう気持ちを最後まで失わずに駆け抜けられたチームだったと思います。正直、制作会社の方たちに、きついスケジュールでお願いしなきゃいけないときもあって、「ムカつくな」と思われたこともあったと思います。それでも関係性が壊れることもなく(たぶん笑)、最後まで和やかなムードでやり切れたのは良かったです。

山本

「0からつくる」ことを楽しめるチームだった。それは全ての工程や全メンバーに言える共通のテーマかな。

鈴木

たしかに。オリコムの社員全員が制作会社さんの協力なしでは成り立たないと思っているだろうし、会社を超えて、もう全体がチームだったなと思います。

山本

ちょっと裏話になるけど、コロナ禍で社内の飲み会も減っていって、世代間で温度差が生まれたような感じがしていたんだよね。長くオリコムにいる身からすると、若い層の社員にも会社を通して皆で1つのプロジェクトをやり遂げる楽しさを知ってもらいたいというのは、裏テーマとしてありました。だから色んな部署の垣根を超えて手伝いに来てくれたことや、来場してくれたことは嬉しかった。

鈴木

せっかくなんで2回目があるんだったら、また同じチームでやりたいですね。OOHに関わることでも何でも。

塚脇

今回はOOHのイベントでしたけど、オリコムならほかのことでもできそう。今回のカンファレンスは、「オリコムには新しいものを生み出す力があるんだ」と、未来に期待してもらえるようなプロジェクトになったと感じます。イベントでも実績でも「オリコムといえば〇〇だよね」と皆さんにインパクトを残せるようなチャレンジをしていきたいです!

―このチームを一言で言うと

山本

何もないところから小さくてもいいから1を生み出す。そこを楽しめないと、この仕事は成り立たないと思う。それを全員の共通言語にしてきました。

鈴木

すごく大変なことも多いけれど、制作会社含めてこのチームだったらやり遂げられる、形にできる。それを信じ合えているチームだと思います。

塚脇

業界自体がとんでもないスピードで変化していく中でも、「未来を仕掛ける側になりたい」と思って書きました。私も会社も、そのど真ん中にいたいですね。

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