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  • プロジェクト全体のディレクションを担当。メンバーから愛されるチームリーダー。
  • 抜群のコンビネーションでリーダーをサポート。営業としての実務面を担う。
  • 2022年入社の新人。OJTを受ける立場ながら、本案件では意外な貢献を見せる。
  • クリエイティブディレクターとして、アイデア立案から実制作までを担当。
  • CMプランナーとして、CMのプランニングおよび実制作進行を担当。
  • 各テレビ局の出稿管理を担当。本プロジェクトのきっかけを作ったキーマン。
萩:私たちが制作した「賢者の食卓 ダブルサポート」のCM「食卓刑事 町中華」篇は、テレビ媒体の担当である大野さんの新しい試みから生まれました。

大野:従来であれば、各局のCM枠をお客さまに提案するのが私の仕事です。商品のニーズに合いそうな番組を選び、放送期間と値段を提示します。しかしこれだけだと、予算や都合が合わずに断られた場合、それ以上は話が発展しない点に悩みを感じていました。そこで考えたのがCM枠と「番組内容をオマージュしたCM制作」をセットにした提案です。例えばドラマの枠であれば、商品を用いてそのドラマの1シーンを想起させるようなCMを作る。これならお客さまに断られても、CMの内容に関する感想や今後の可能性について聞くことができて、次につなげられると思ったんです。偶然そのアイデアを拾ってくれたのが、萩さん率いる営業チームでした。
萩:もともと大塚製薬さまとは、いろいろな商品でお付き合いがあります。「賢者の食卓」でも何か新しく自主提案できるチャンスがないかうかがっていたところ、秋冬に新しい施策の実施を検討しているというお話を聞くことができました。しかし先方から具体的な依頼があったわけではないため、何を提案するべきか迷っていたんです。

磯部:それこそ最初は、課題とターゲットをもらえただけでしたよね。
戸来:そうなんです。課題とターゲットだけでは提案の自由度が広すぎると感じていたところ、ちょうど大野さんから先ほどのアイデアをいただき、この案件に活用することになりました。大塚製薬さまに提案したのは、TVerのグルメ番組内で流すWEB CMです。大野さんの意図したとおり、CMの内容まで含めて提案したことで、先方の要望も明確になり、案件の獲得につながりました。
庄司:CM制作で心がけたのは、商品の特徴をシンプルに伝えつつ、従来のイメージとは違ったインパクトのある内容にすることです。特定保健用食品というと、効果や機能にフォーカスしたCMが多い。しかし今回は、生活者がどういう気持ちで商品を手に取るか。「おいしい物は食べたいけど健康は気になる」というユーザーの目線をもっと意識して、その人たちの感情を動かすようなCMにしたいと考えました。

大野:庄司さんのアイデアの中には、グルメ番組の食レポをテーマにしたCMや、カツカレーの是非を問う案もありましたよね(笑)。最終的に選ばれたのが、中華料理店でラーメンを食べようとしているところに、刑事と鑑識が入ってくる「食卓刑事」です。
下里:ここ最近「町中華」ブームですよね。町中華を舞台にした「ついつい食べちゃうラーメン」という設定は、ユーザーの琴線に触れるんじゃないかと。

戸来:会議自体も楽しかったですね。撮影でお借りする中華料理店は、どのお店にしよう!とか(笑)。

下里:CMに出てくるラーメンは実際にお店で出しているもので、糖質と脂質の量もレシピから正確に算出したんですよ。
庄司:案が決まってからのCM制作は、すごくスムーズでした。営業チームがクライアントの意向をきちんとヒアリングしてくれたおかげです。提案したことが最後までブレずに表現できたので、とても幸福度の高い仕事になりました。
萩:実際にCMを流したところ、商品の通販サイトに対するユーザーからのアクションが増加したようです。大塚製薬さまからは高い評価をいただき、放送期間も延長していただきました。しかも当初はTVerだけで放送するはずが、地上波にも領域が拡大したんです。結果として、元の受注規模から大きく成長した企画になりました。
下里:特定保健用食品、いわゆる「トクホ」でこの表現は、今までにないチャレンジだったと思います。

萩:ただ正直に言うと最初は、営業としてクライアントにCM案を持っていくのに勇気がいりました。従来の大塚製薬さまのスマートなCMのイメージとは、かなり異なっていたので(笑)。それでもこの案で勝負したのは、食卓刑事の企画が、市民の健康を守るおせっかいな刑事さんという設定で、大塚製薬さんの企業理念、「人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する」に合っていると感じたし、そして、何より製品の機能価値を面白く分かりやすく表現したアイデアだったので。このような企画ができて、クライアントとの橋渡し役を担う営業としても、非常にやりがいがありました。

庄司:オリコムでは営業の人にもクリエイティブの企画会議に入ってもらって、アイデアの段階から一緒に作り上げていくことが多いのですが、それはこの会社の魅力の一つだなと思っています。実際、CMの最後に出てくるセリフ「賢く食えよ!」というコピーは、営業の磯部くんの発案なんです。
磯部:これだけの規模の撮影は初めてだったので、まだ1年目の自分なんかが本当にいいんだろうかという気持ちもありました(笑)。でも積極的に発言できるような空気を先輩方が作ってくれましたし、思い切って出したアイデアを採用していだたけたのは本当に嬉しかったです。自分の考えた言葉が実際にCMから流れてきた時は、やっぱり特別な感動がありました。
大野:私も従来の領域を超える仕事ができたと感じています。実はコロナ禍で働き方を見つめ直した際、広告が好きでこの業界に入ったのに、ルーティンで仕事をこなしているだけのように感じたんです。同じメディア局でも新聞雑誌部の先輩は、クラウドファンディングで費用を募り、引退する野球選手に感謝の新聞広告を出すなど、新たな試みに挑んでいる。それを見て、自分も積極的に挑戦しようと決意しました。何より嬉しかったのは、それを皆さんが一丸となって形にしてくれたことです。これをきっかけに、自分の進むべき方向が見えたような気がしています。
戸来:たしかにオリコムは部署やキャリアに関係なく、いろいろな領域を経験できる環境ですよね。2年目、3年目でも自ら率先してお客さまへ提案に行くこともできる。これから入ってくる皆さんも新人だからと遠慮せず、どんどん面白いことにチャレンジしてほしいです。